コピートレード(ソーシャルトレード)とは?FXでは違法ではないが危険?
こんにちは、FX自動売買レビュアーのShoです!
今回は「コピートレード」とはどんな手法なのか解説していきます。
ソーシャルトレード・ミラートレードとも言われるFXの取引手法である「コピートレード」。
中には違法だと思っている人も多いこの手法は、もともとSNSによく似たプラットフォームで開始されたトレード手法であったため、ソーシャルトレードと呼ばれていました。
しかし、手法の特徴などから複数の呼び名ができました。
実際にSNSを介して取引を行う、というよりは、SNSを介して見つけたトレーダーにのトレードをコピーするという方法なのですが、それに危険性はないのかなどを詳しく解説していきます。
目次
コピートレード(ソーシャルトレード)とは
コピートレードとは、最近日本のFX界でも広まりつつあるMAMやPAMMと近いトレード手法です
(違いについては後述しています)
ここではコピートレードとはいったいどのことを指すのかという詳細を記載していきます。
ホストトレーダーの取引を反映
コピートレードはその名の通り、ホストトレーダーのFX取引をそのまま自分の口座にも反映させ、同じポジションを持つ手法です。
コピーする、ミラーリングする、というような形容詞が適切な手法のため、日本ではコピートレードやミラートレードという名前でよく聞かれます。
基本的にホストトレーダーが持ったポジションを同じように買い、売ったタイミングで同じように売りますが、利用者によって証拠金は異なります。
ホストトレーダーとは金額が上下に大きく離れている場合も多々あります。
そのため、その証拠金の差額で生まれる可能な取引量の差は、自分で値を設定したり、ホストトレーダーと比較した時の割合で自動変更されたりします。
または、生じた利益をそれぞれの利用者の証拠金が占める割合によって分配する場合もあります。
成功報酬もしくはサブスクリプション契約で成り立つ
コピートレードを行う際は、自分の希望にあったFX取引を行うトレーダーを選んで指名します。
また、その指名した相手に成果報酬(利益の25〜50%)や、サブスクリプション(月額制など)料金を払うことによって、自分の口座にもホストトレーダーの取引を反映できる仕組みになっています。
料金はさまざまですが、サブスクリプション形式の場合は、利益が出たときも損失だけだったときも変わらず一定の料金を支払うことになります。
支払う額はプラットフォームや相手によってやや差があり、良心的なプラットフォームで成果報酬25〜30%程度で、完全にホストトレーダーに任せてしまっている場合はそれ以上取られるという場合が多いようです。
MAM・PAMMとの違い
MAM・PAMMの仕組みも、ホストトレーダーのトレードをコピーするという点はコピートレードと共通です。
大きな違いとしては、コピートレードがプラットフォームで大々的に募集されるのに対して、MAM・PAMMはクローズドで募集していることが多いです。
その理由としてコピートレードとMAM・PAMMでは、支払いの金額やホストトレーダーの能力などに細かい違いがあるからです。
些細に見えるかもしれませんが、内容が重要な部分もありますので確認してみてください。
コピートレード | MAM・PAMM | |
手数料 | サブスク形式もしくは成功報酬 | 成功報酬制 |
最低証拠金 | 5万円ほどの少額〜 | 20万円前後〜 |
公開範囲 | オープン | クローズド |
開始前の審査 | ほとんどなし | 証券会社の審査あり |
稼働・停止 | 自己判断で行える | 期間が決まっている |
取引精度 | ムラがあり低いことも多い | 比較的高い |
MAM・PAMMについての詳細は記事を作成していますので、気になる人はリンク先からご一読ください。
コピートレードのメリット
どのFX取引手法にもメリットとデメリットが存在します。
特に、裁量トレードのように自分でコントロールできない取引を行う場合は、こういった要点のチェックがポイントになってきます。
この項目ではメリットを記載していますが、後述するデメリットの閲覧も忘れないようにしてください。
トレーダーごとの戦略やパフォーマンスが公開されている
コピートレードは別名「ソーシャルトレード」という通り、SNSのようなプラットフォーム上で多数のトレーダーの戦績などを閲覧することができます。
どういった戦略でトレードを行なっているのか、どういったポジションの取り方をするのか、損切り起点やDD率、過去のパフォーマンスなどさまざまな情報が掲載されている場合が多くみられます。
ゆえにFXで自動売買ができるものとしては透明性は高く、どのトレーダーの取引をコピーするのか判断がしやすいでしょう。
そのトレーダーの能力の良し悪しだけではなく、自分の好きな手法で取引を行ってくれるか、細かいこだわりが合いそうかどうかなどもマッチングできるのが強みです。
少額からの投資が可能
同様のFX取引手法でトレードを行うMAMなどは、プロのトレーダーが安全に資金運用できるように証拠金が高い場合が多いです。
それに対してコピートレードでは最低証拠金を5万円程度から開始しても問題ないとしているトレーダーもおり、少額で投資を始めたい人にはMAMやPAMMよりもコピートレードが向いているでしょう。
ただし、少額の証拠金で始める際には、トレード方法がどういった基準に沿っているのか確認を忘れないようにしましょう。
ナンピンマーチンのように含み損を抱えやすい手法だと、証拠金が少ないことは大変危険です。
トレードに時間を取られない
コピートレードのみならず、システムトレードなどにも共通することではありますが、チャートに長時間張り付いていなくて良いため、忙しい人や他のことに時間を割きたい人でも運用できます。
加えて、システムトレードが重要な経済指標時の稼働・停止や各種設定に自己判断が必要になるのに比べて、コピートレードは全てトレーダーが行なってくれるので、より時間がかかりません。
必然的にチャートを見る機会は減少するため、意識してどのポジションをどうしてとったのかなどを考えない限り、取引のスキルは身につかないので注意しましょう。
今後は裁量トレードを行いたいと思っている初心者の人は、コピートレードで実利益を上げつつ、デモ口座などで自分で取引をしてみる意欲が重要になります。
コピートレードのデメリット
一見とても便利で、自分の代わりに裁量取引のできる人が利益を上げてくれるため、「楽して稼げる」ように見えるコピートレード。
しかし、実態はそう簡単にはいきません。
利用する上でのデメリットはもちろん存在しており、それらを把握した上で利用するかどうかの判断を行うことが必要です。
優秀なトレーダーを見つけるのが難しい
MAMやPAMMを行うトレーダーが証券会社の審査を受けているのに対して、コピートレードはそういった規定はありません。
ゆえに、利益を生み出すことができなかったり、なんとなく登録してしまったというような質の悪いトレーダーも存在しています。
質の良いトレーダーと質の悪いトレーダーを見分けるには、各トレーダーの公開している情報を利用して考察するしかありませんが、それにはある程度のFXに対する知識が必要になります。
知識のないまま適当にトレーダーを選び、楽して勝とうとするのはただのギャンブルであり投資ではありません。
十分注意しましょう。
コストが高い
前述した通りコピートレードは成功報酬制、もしくはサブスクリプション契約で成り立っています。
海外の証券会社がプラットフォームになっているような場合は成功報酬型が多いですが、中には利益の50%ほどを要求するトレーダーもいます。
良心的なトレーダーやプラットフォームでも30%前後の設定が多いことから分かるように、MAM・PAMMと同等、もしくはそれ以上の料金がかかります。
中には、サブスクリプション形式で成り立っているコピートレードもあり、その場合は勝っても負けても一定額の手数料が引かれます。
スプレッドなどそのうちに含まれておらず、残った利益から負担することになるので、コストが高いことを覚悟して使い始める必要があるでしょう。
証券会社が限定される
国内の証券会社でコピートレードを行うには、金融庁の投資助言業認可を受ける必要があります。
実際に大手証券会社でコピートレードができる会社にトレイダーズ証券が挙げられますが、ほとんどの会社で行うことができません。
また、日本と海外ではレバレッジが大きく違い、日本の金融庁の認可を海外の証券会社が受けていることはほとんどありません。
そうすると日本人に積極的にサービスを提供することができず、日本人の利用自体を制限している会社も多いです。
日本人が利用できる海外証券会社で、コピートレードのプラットフォームとなっている会社はあまり多くなく、コピートレードは日本人に対する間口の狭い取引手法・事業と言えるでしょう。
そのため、証券会社を自由に選んで行うことは難しく、どうしても限られた選択肢から証券会社を決めて行うことになります。
コピートレードの危険性・注意するべきところ
コピートレードを行う上で、注意するべき点もいくつかあります。
色々な情報の中で誤った知識が広がっていますので、正しい知識を得た上で開始すると良いと思います。
MAM・PAMMよりも情報は多いが精度は低い
同様の取引手法にMAM・PAMMというものが存在しているのは既に紹介しました。
MAM・PAMMでホストトレーダーとなる人は、基本的に証券会社による審査を受けているので、ある程度の品質が保証されています。
(ただし、MAM・PAMMには違ったデメリットも存在しますので必ず確認してください)
対してコピートレードでホストトレーダーになる人には、経験が豊富とは言えない人もいますし、初めてホストでトレードをする人もいることは承知しておきましょう。
もちろん、全ての人がMAMなどのトレーダーと比べて知識が浅いわけではありません。
中にはコピートレード専門で行っているにもかかわらず、高い水準の裁量取引の能力を持つ人もいます。
一時的な負けなのか、長期的に利益が出るのか判断が必要
コピートレードは優秀なトレーダーに当たりづらいのが利益をうまくできない要因の一つでもありますが、一方で短期的な損失が出たときにすぐにトレーダーを切り替えてしまう人が多いのも勝てない要因になっています。
FXは投資ですので、どうしても負けることはあります。
しかし、一時的な負けでトレーダーを乗り換えてしまえば、その後長期的な目線で見れば得られるはずだった利益を得ることができません。
毎回負けて乗り換えてを繰り返していれば、勝率も利益率ももちろん不安定になります。
今撤退する理由が、一時的な負けに精神的負荷がかかってしまったゆえの衝動的なものなのか、長期的に勝てる見込みがないと読んだからなのかははっきりさせておきましょう。
自分で裁量取引をするよりだいぶメンタルは楽になっているはずです。
乗り換えの判断をする気力は残っていると思いますので、考察した上で行いましょう。
コピートレードは違法ではない
「コピートレードは違法行為である」という記事がネット上に散見されます。
特に、国内でコピートレードを行うことが法律違反であるとする人もいますが、実際には金融庁の認可を受けた運営者・トレーダーが行うのであれば問題ありません。
利用者側に特別な資格はいりませんので、コピートレードを利用していたから逮捕されるということはありませんので安心してください。
なお、無認可でコピートレードを提供する側になった場合は違法となりますので注意が必要です。
日本国内で違法性なしでコピートレードを行いたい場合には、金融庁にトレードの認可を受ける必要があるのです。
その場合は違法にはなりません。
コピートレードに向いている人は?
仕事、趣味などに向き不向きがあるように「コピートレードに向いている人」というのも存在します。
FXの自動売買には、プログラムに沿ってトレードを行うEAなどもありますが、以下のような要素を複数兼ね備えている人はコピートレードに向いていると言えるでしょう。
それは具体的にどういった人なのか、口コミや評判からピックアップしました。
メンタル管理がうまくできずに投資に失敗する人
FXの知識も、実践経験もある。
しかし、含み損を持った時に焦ったり、常にポジションを持っていないと落ち着かない。
というような経験がある人もいるのではないでしょうか。
こういったメンタル面でうまくいかない傾向が強く出ている人は、裁量トレードよりも自動売買できるシステムに向いていると言えます。
コピートレードではメンタルの不安を代わりに請け負ってくれるメイントレーダーがいますので、負担が減るでしょう。
忙しくてほんの僅かな時間もない人
長時間トレード画面を見続けるのが難しい人や、自分の好きなタイミングで取引画面をさわれない人もいますよね。
しかし、資産運用は行いたいという場合はあると思います。
そんな時間がないけど投資には前向きという人もコピートレードに向いていると言えます。
コピートレードは既に記載しているようにマージンが取られます。
自らが全ての利益を得られるわけではありません。
そのため大きな利益を期待できるわけではないですが、余剰金で少しずつでも利益を得たいときの選択肢の一つとして考えると良いでしょう。
コピートレード選びのポイント
コピートレードで優秀なトレーダーを選ぶには、以下のポイントは最低限抑えておくと良いと思います。
長期的な取引パフォーマンス結果があるか
そのトレーダーの過去の取引結果を掲載しているプラットフォームが多いですが、気をつけてみなければいけないのが期間です。
一見パフォーマンスが非常によく、利益を上げているように見えても、計測した期間が短期間だと信頼性が低いです。
運で利益を上げたのかしっかりとした実力なのかは長期的なパフォーマンスを見て考える必要があるため、トレード履歴のある期間が短いトレーダーは選択しない方が無難でしょう。
最大ドローダウン率とドローダウン回数に注目
コピートレードを選ぶ際には、ドローダウンに着目することも重要です。
ドローダウン率は損失が出た際に最大で資産をどの程度まで減らしてしまったかを示しています。
最大ドローダウン率20%以下を目安にすると、トレーダーを探しやすいでしょう。
また、ドローダウン回数も見ておきたいポイントです。
回数が少ない方が多いよりは優秀ですが、極端に少ないものは警戒した方が良いでしょう。
ドローダウン回数が少なすぎるのは、適切な損切りを行なっていない・損切りポイントを極端に低い金額に設定してある可能性があるからです。
取引手法が自分のトレードスタイルに合うか
トレーダーにはそれぞれ取引の参考にしているインジケーターや手法が存在しています。
それが自分の求めるトレードのスタイルと合致しているかどうか確かめるのは大切な手順です。
リスクをとってでもハイリターンを望むのか、堅実に長期運用していくのかの選択も重要ですし、レバレッジもトレーダーや証券会社によって大きく異なります。
運営している通貨ペアを見ておくことも重要です。
それらが自分で納得のいくスタイルになっているのか、確認してから選択するトレーダーを決めましょう。
まとめ
コピートレードをまとめると、以上のような内容になりました。
認識しておいて欲しいのは、コピートレード(ソーシャルトレード)を利用したからと行って違法にはならないということです。
日本では提供する・運用する側に資格が必要なことから、情報が錯綜して混乱したり誤った認識をしている人がいますが、安心して利用してください。
FX自動売買ツールで経済指標のたびに停止することが難しいという人には向いていますが、ある程度コストが高いため、実用面ではMAMなどの方が勝っているように感じます。
ただし、色々な情報が誰にでもオープンに公開されているのはコピートレードであるため、信頼性の面はこちらの方が強いでしょう。
各々の好みの問題になっていきますが、自分に合う選択をするための参考にしてみてください。
“コピートレード(ソーシャルトレード)とは?FXでは違法ではないが危険?” に対して2件のコメントがあります。
コメントは受け付けていません。