FX自動売買運用中にチェックすべき経済指標
こんにちは!FX自動売買レビュアーのShoです。
今回は、自動売買運用中にチェックすべき重要な経済指標について解説します。
経済指標とは各国の経済状況を数値化したデータのことで、内容によっては発表直後に為替相場が急変することがあります。
自動売買は大変便利なツールですが、多くのEAがそのような不規則な値動きに弱く、場合によっては大きな損失を出すこともあるため注意が必要です。
この記事では「市場への影響度が特に高い経済指標」を5つご紹介しますので、知らない方はこの機会にぜひ覚えておきましょう。
目次
経済指標とは?
経済指標とは、各国の経済状況やパフォーマンスを測定した統計データのことを言います。
具体的にいうと、特定の国や地域における物価、成長率、インフレーション率、雇用状況、金融政策、貿易、生産性などを数値化し、過去から現在に至る変化を把握できるようにしたものです。
経済指標は通常、政府機関や中央銀行などの公的機関によって集計・発表されます。
指標の結果次第では為替相場が大きく変動することもあるため、FXをしている方は要チェックです。
経済指標発表時はFX自動売買を稼働すべき?
現在FX自動売買を運用している方やこれから始めようと考えている方は、「経済指標発表時は自動売買を稼働したままでいいのだろうか?」と疑問に思っているのではないでしょうか。
自動売買ツール(EA)は、トレーダーの代わりにシステムが為替相場を24時間監視し、プロの売買ロジックに従って自動でエントリー・決済をしてくれる大変便利な道具です。
しかしほとんどのEAはテクニカル分析(過去チャートのパターンや値動きから将来の値動きを予想すること)をベースに開発されているため、どんなに優秀なEAであっても、経済指標や要人発言などによる急な為替変動には対応できないという欠点があります。
もちろんEAの売買ロジックによっても変わってきますが、一般的には経済指標の発表前後は自動売買の稼働を停止することがおすすめされています。
ただしトレンドフォロー型の自動売買ツールの場合、指標発表後のトレンドに順じて大きな利益を得られる可能性もあります。
この場合は資金管理さえ徹底していれば稼働したままで問題ないと言えます。
FX自動売買運用中に注意すべき経済指標6つ
経済指標は大変多くの種類があり、その全てを網羅するのは大変です。
また重要度は指標によって異なるため、発表直後であってもあまり為替相場に影響しないものもあります。
ここでは、FX自動売買運用中に特に注意すべき重要経済指標を6つピックアップしてご紹介します。
FX自動売買運用中に特に注意すべき経済指標
- 雇用統計
- FOMC政策金利発表
- FOMC議事録公表
- GDP(国内総生産)
- 小売売上高
- CPI(消費者物価指数)
①雇用統計
FX自動売買運用中に特に注意すべき経済指標1つ目は、「雇用統計」です。
雇用統計とは各国の経済および労働市場に関する統計データのことを言い、以下のような10数項目から成り立ちます。
- 非農業者部門雇用者数
- 失業率
- 建設業就業者数
- 製造業就業者数
- 小売業就業者数
- 金融機関就業者数
- 週労働時間
- 平均時給
これらの雇用統計の中でも、FXにおいて特に重要な指標が「非農業部門雇用者数」と「失業率」です。
用語解説
- 非農業雇用統計とは?
農業部門を除いた産業で働く雇用者数を示す数値 - 失業率とは?
労働市場において現在仕事を持たない人々の割合を示す数値
雇用が堅調に増加すると賃金も増え個人消費が拡大すると予測されますが、失業率が高い場合は経済に不安定性があることが示唆されます。
FXにおいては特にアメリカの雇用統計が重要視されており、これらの指標が発表された直後は一瞬で100pips以上動くこともあります。
アメリカの雇用統計は原則として毎月第1金曜日の21時30分頃(※冬時間は22時30分頃)に発表されますので、FXをしている方は注意しましょう。
②FOMC政策金利発表
FX自動売買運用中に特に注意すべき経済指標2つ目は「FOMC政策金利発表」です。
FOMC政策金利とは、アメリカの中央銀行であるFRB(米連邦準備制度理事会)が設定する政策金利のことを言います。
政策金利とは各国の中央銀行が一般の銀行に貸し付ける際の金利のことを言い、金利を上げ下げすることで物価の安定や雇用の促進に影響を及ぼします。
例えば景気が悪いときは金利を下げることで個人消費や設備投資を促し経済を刺激しますし、景気が良い時は金利を引き上げることで物価の安定を維持し、景気の過熱を抑えることができます。
FOMC政策金利はアメリカの経済政策の中心的な要素であり、内容次第でトレンドが一気に変わることもありますので、FXをしている方は要注目です。
発表は年に8回(6週ごとに)行われ、通常は日本時間の午前3時に発表されます。
③FOMC議事録公表
FX自動売買運用中に特に注意すべき経済指標3つ目は「FOMC議事録公表」です。
こちらはFOMCの議論内容を記録したもので、FOMC政策金利発表から3週間後に公表されます。
FOMC議事録には次のような情報が含まれており、声明文のみでは見えない議論の詳細を確認できる重要な資料と言えます。
- 経済の状況評価:
経済の成長率、雇用状況、インフレーション率などについての詳細な分析や、FOMCメンバーがアメリカの経済についてどのように評価したかが記載されます。 - 金融政策の評価:
政策金利やその他の金融政策措置についての議論が含まれます。 - 将来の方針:
将来の金融政策の方針についての示唆が含まれることがあります。
このように、議事録を見ることでFRB(連邦準備制度)の金融政策の方向性やメンバー間の意見の違いが読み取れ、将来の金利政策や経済の展望を予測することに役立ちます。
投資家や経済アナリストに非常に注目されており、議事録の公表日はFX相場が急変することがあります。
④GDP(国内総生産)
FX自動売買運用中に特に注意すべき経済指標4つ目は「GDP(国内総生産)」です。
GDPとは一定期間内に国内で産み出された物やサービスの付加価値の合計のことを言います。
(※付加価値とは「生産活動によって新たに生み出された価値」のことで、一定期間内の売上(生産高)から原材料費を外して計算します。)
GDPには次の2種類があります。
- 名目GDP:
単純に価値の総額で算出したもの - 実質GDP:
名目GDPから物価変動の影響を取り除いて算出したもの
名目GDPはその時点の経済規模を知るのに適していて、実質GDPは成長の度合いを時系列で比較するのに適した指標です。
GDPは通常、四半期ごとに発表されます。
英国、米国、ユーロ圏は「速報値、改定値、確報値」の3回に分けて発表され、ドイツ、フランスでは「速報値、確報値」の2回に分けて発表されます。
市場の注目度は速報値がもっとも高く、発表後は大きな値動きになる傾向があります。
また改定値や確報値も事前予想と大きく違う結果になれば為替相場が動くケースも見られるため、FXをやっている方は注意深く見る必要があります
⑤小売売上高
FX自動売買運用中に特に注意すべき経済指標5つ目は「小売売上高」です。
小売売上高とは、ある期間内に小売業者が販売した商品やサービスの合計金額を指します。
主に百貨店、スーパーマーケット、専門店、オンライン小売業者などの小売業者から販売データを収集し算出されます。
こちらも世界各国から発表される経済指標ですが、とりわけ重要度が高いのはアメリカの小売売上高です。
アメリカのGDPは世界のGDPの3分の1を占めており、その中でも個人消費が約7割を占めているため、世界的に注目されています。
アメリカの小売売上高は毎月第2週の21時30分(冬時間は22時30分頃)に前月分が発表されます。
⑥CPI(消費者物価指数)
FX自動売買運用中に特に注意すべき経済指標6つ目は「CPI(消費者物価指数)」です。
消費者物価指数(CPI)とは、一般の消費者が購入する商品やサービスの価格変動を示す経済指標です。
物価上昇率を評価し、インフレーション(物価の上昇)やデフレーション(物価の下落)の傾向を追跡するために広く使用されています。
CPIは一般の消費者が日常的に購入する商品やサービスなど約200項目の品目の価格を元に計算されます。
この項目には、
- 食品
- 住宅
- 交通
- 医療
- 教育
- 娯楽
などが含まれます。
CPIは各国の経済状況を評価するため、インフレーションの監視や政府の政策決定の指針として役立ちます。
たとえば、政府や中央銀行はCPIの変動からインフレ率を抑制するための政策を検討したり、企業は物価上昇の影響を評価し、価格設定戦略を決定します。
特に重要となるアメリカのCPIは、毎月15日前後(夏時間は日本時間の午後9時半、冬時間は日本時間の午後10時半)に発表されます。
経済指標発表にも対応可能なおすすめのFX自動売買ツール
今回は、FX自動売買運用中にチェックすべき重要経済指標を5つご紹介しました。
先述したように経済指標発表前後は為替相場が急変することもありますので、事前に発表日を確認しておきシステムの稼働を停止しておくことが求められます。
なお、自動売買システムの中には開発者や紹介者によって経済指標のアナウンスをしてくれる場合もあります。
現在巷では様々なシステムが配布されていますが、ロジックはもちろんそのようなサポート体制で選ぶのも1つのポイントです。